明るく、笑顔もステキ!
講師・司会・コーディネーターとして幅広く活躍中
プロフィール
坪内美樹さん(高32期)
日高東中学出身。神戸大学教育学部卒業後、大阪書籍株式会社に入社。単行本の企画・編集および小・中学生用の道徳副読本の編集に携わる。独立後、フリーのトーキング・プランナーとして書籍や社内報の企画・編集、NHK「くらしの経済」「ちょっといい旅」等のTV番組リポーター、ABC「探偵!ナイトスクープ」「クイズ仕事人」等のTV番組制作ブレーンを務める。現在は、笑顔でコミュニケーション♪をテーマとし、講師・司会・コーディネーターなどで活動中。兵庫県豊岡市日高町の「兵庫ひだか名誉大使」。独立行政法人文化財研究所外部評価委員(平成12年度~17年度)
http://www.miki-tsubouchi.jp
大学在学中にアナウンサーの勉強も。
卒業後、出版・テレビ業界を中心に展開
━━━現在、司会・講師・コーディネーターとして活躍中ですが、大学卒業後は、何になろうと考えていましたか?
- 実は高校3年生のとき、なぜかアナウンサーになりたいと思いつきました。そして大学2回生のときに、神戸のアナウンサー養成の専門学校の夜間に1年ほど通い、基礎から勉強しました。
━━━最初は、アナウンサー志望だったんですね。
- 就職活動時には、在阪のテレビ・ラジオの局アナの募集がなくて、番組のオーディションをいくつか受けましたが駄目でした。大学は教育学部なので、知り合いのおすすめもあり教科書会社の大阪書籍に入社しました。
━━━そこで教科書づくりを?
- いえいえ、朝日カルチャーセンターの講座内容をまとめて本にするなど、一般向けの単行本の企画・編集をしたり、小・中学生用の道徳副読本の編集に携わっていました。
━━━独立後は、司会、講師、コーディネーターの他に、テレビ業界でも働いていますね。
- そうですね。NHKの「くらしの経済」「ちょっといい旅」などのTV番組リポーターや、ABC朝日放送の「探偵!ナイトスクープ」や「クイズ仕事人」などの制作ブレーンも務めました。
━━━アナウンサーの勉強が役立ちましたね。
- そうですね。リポーターは見られる立場なので、言葉だけでなく、笑顔を含めて表情や動作もとても大切。最初は緊張してうまくいきませんでしたが、この時の経験が現在の仕事にとても役立っています。
━━━「探偵!ナイトスクープ」では、どんな仕事を?
- 視聴者のみなさまからのお便りをもとに取材をしたり、企画出しをするのが主な仕事でした。例えば、フローズンビールがあるとすれば、そのネタで番組として成り立つのかあるいは取材先を探し、そこが受け入れてくれるかなどを、事前に調べます。それらの情報をもとにして、ディレクターと構成作家が最終判断をして、テレビ台本に仕上げていくわけです。
━━━その番組の構成作家は、いま人気絶頂の作家・百田尚樹さんですよね。
- 面白い方でしたよ。こんなにすごい作家になるとは思いませんでしたが(笑)、当時から他の方とは違いました。ものすごい博識で、いろんなことに興味を持って、面白そうだなと思ったら、ばっと入っていくような勢いのある方でした。百田さんの小説、もちろんたくさん読みました
━━━テレビで他に思い出は?
- 「クイズ仕事人」という番組で、海外取材にも行きました。行き先が寒い時期の北欧なので、誰も行きたがらない。じゃあということで私が手を挙げて、フィンランドに行きました。北極圏の手前まで行き、サンタクロース村でサンタさんにも会ってきました。素晴らしいところでしたよ。
豊岡高校創立100周年記念式典の司会も、実は坪内さんでした
━━━その後、結婚して淡路島へ。
- テレビの仕事は結婚と同時に辞め、司会、講師、コーディネーターの仕事は継続しました。講師の仕事では、商工会、異業種交流会、会社などに呼ばれて、おもてなしやマナー、感じの良い話し方など、様々なテーマで話をさせていただきました。一番多いときには、年間120回くらいありました。
━━━年間120回とは、スゴいですね。その他に司会もされている。
- 尼崎で行われている異業種交流会の「未来会」では、毎月司会に伺っています。その他、様々な記念式典やパーティ、コンサートの司会などをしています。
━━━司会の仕事の難しさは?29期の上田さん、上田さんの音楽仲間の演奏家の方々との、クリスマスコンサートにて。舞子ビラのあじさいホールで。私はナレーターを務め、曲の合間に詩の朗読などをしました。司会では着られないドレス姿に、ウキウキでした(笑)。
- 司会は、自由にさせてもらえる訳ではありませんが、空気を自分で作ることはできます。独立前に、再度勉強しなおそうと通った大阪アナウンススクールでは、一からやり直しで、いろいろ鍛えられました。レッスンの中で、司会者が目立つのではなく、会が終わってから「司会者、誰だっけ?」「覚えていないけど、いい会だったね」と言われるのが、いい司会だと教えられました。でも本音をいえば、できれば司会者としても覚えてもらいたいし、将来は、坪内美樹の司会が見たいからと言ってもらえるようなりたいですね。
━━━プロフィールを拝見すると、何と、我々の母校である、豊岡高校の創立100周年記念式典の司会もされている。
- そうなんです。そのときの校長先生や役員の方が、講師も司会も全部、豊校の卒業生でやりたいとおっしゃって、誰かいないかと探された。私は日高町の名誉大使をしていて、昔は豊岡市の仕事をしていたこともあり、推薦していだいたようです。母校で仕事ができるのが、とても嬉しかったのを覚えています。
━━━いま一番力を入れているのは、コーディネーターの仕事だとか?
- 以前から、環境問題、町づくり、働く女性などをテーマとしたシンポジウムのコーディネーターの仕事はしていました。2008年に淡路から神戸に引っ越したんですね。そこで案内状を送ったところ、ご縁が広がって、神戸市さんをはじめ、いろいろなところから声をかけていただきました。
━━━神戸市の仕事とは?
- 最初にいただいたのは、「しゃべり場」と呼ばれる市長と中高生のシンポジウムのコーディネーターです。それを見てくださった方が、今度は、「タウンミーティング」という、市長と市民とのトークディスカッションのコーディネーターにも呼んでくださるという形で、何度か声をかけていただきました。テーマは、東灘のスイーツから京コンピュータまで様々で、学ぶところが多い仕事です。コーディネーターの仕事が、ここ数年、増えてきていますね。神戸市ではないのですが、尼崎で行われている異業種交流会「未来会」では、女性だけのパネラーでディスカッションをしました。この会を通じて仕事が広がってきていますし、ご縁は本当にありがたいと思います。
━━━コーディネーターの仕事の魅力は?リーガロイヤルホテルのリーガクラブでの講演。「笑顔で招くハッピーライフ」のテーマで、1時間半、お話しさせていただきました。参加者は一般の方々で、100名くらい。お帰りになる時に、みなさんが笑顔、笑顔で、担当の方が驚かれていました。
- パネラーの方々の話をうまく引き出して、自分の意見もちょっと入れながら進行させていくのがコーディネーターの役割だと思います。みんなに気持ちよく話をしてもらい、終わった後に、「話しやすかった」「うまい具合に振ってもらったから良かった」といった声をいただくとほっとしますし、嬉しいですね。「坪内さんに入ってもらえれば、何とかなる」と言われるように今後も頑張りたいと思っています。
━━━その他にも、いろいろと活動されていますね。
- 「ふんふん」という童謡伝道新聞にエッセーとインタビュー記事を毎月掲載しています。「ふん」というのは、モンゴル語で「人」の意味です。日本人の心である童謡・唱歌を伝えていきたいという新聞なんですね。私も「絵本の読み聞かせ」をやってきたので、その趣旨に共感して続けています。
━━━将来の夢は?私の中で一番のロングランのお仕事、「大阪私学新春互礼会」の司会。20代から続いています。年に一回ですが、これが来ないと年が明けないくらい、大切で思いいれのある仕事です。
- 私の仕事には定年がありませんので、生涯現役を目指しています。80歳になっても、ちゃんと背筋を伸ばし、いま履いているぐらいの高さのヒールを履いて、笑顔で講演ができるスーパーおばあちゃんになりたい。これが30歳の頃からずっと思っている夢です。大事にしている思いは、感謝と謙虚。歳を取っても元気に頑張り、楽しんでいる自分でいたいですね。
但馬は私の原点。今も帰れば、小学校の校庭へ
━━━但馬に対する思い入れは?
- 生まれ育った但馬は、やはり自分の原点かな。懐かしく思えるということは、但馬で暮らした月日が幸せだったんでしょうね。ご近所を含めてよくしてもらいましたし、いま一番長くつきあっている友達は、中高一緒だった人です。一番悩んだりした時代を一緒に過ごしてくれた友達はとても大事です。フリーになってからは、但馬で仕事をするのがすごく楽しくて。自分が地元に何かで役に立つことが嬉しいですね。
━━━但馬の風景で思いだされるのは?
- 出身地の日高の風景です。円山川の河原とレンゲでいっぱいの田んぼの風景が好きです。そこでソフトボールをしたり、遊んだりしました。後は、神社の境内と小学校の鉄棒ですね。運動は得意じゃなかったけど、なぜか鉄棒だけは大好きでした。練習したらできるようになって、ぐるぐる回っていました。今でも田舎に帰ると、必ず小学校のグランドにいきます。もっとも今は鉄棒じゃなくて、短距離走にはまっています(笑)。
━━━今日は楽しいお話をありがとうございました。今後、ますますの活躍を期待しています。
<余談>
10月5日に行われた「平成25年度大阪達徳会総会」において坪内美樹さんに司会をしていただきました。本来は、総会までに「頑張ってます」のコーナーで紹介する予定でしたが、私の不手際で遅れてしまいました(いえいえ、私がうっかりしていたからです…坪内)。しかし、さすがプロの司会者。進行も実にスムーズ。つなぎの言葉もセンス抜群。人気があるのも当然ですね。<取材・文/竹内明久(高22期)>