岩本英明さん of 大阪達徳会



京阪神で頑張っている豊岡高校卒業生たちの集い

プロフィール

岩本英明さん(高18期)

豊岡南中学出身。大学卒業後、医薬品メーカーでMR(医薬情報担当者)として活躍。平成19年4月、59歳のとき、繁昌亭落語家入門講座を受講。翌20年10月、同じ入門講座修了生たちが集まり、「素人寄席・天満天神の会」を結成。以後、年2回の定期発表会の他、出前高座、会報の発行など幅広く活動中。芸名は、天神亭岩塩(桂文枝命名)
<素人寄席・天満天神の会> http://www.hcn.zaq.ne.jp/cabby807/

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好きな落語で笑ってもらえる。これが何よりも嬉しい!



 11月3日(土)、天神亭岩塩こと高18期の岩本英明さんが落語を演じるというので、「第2回鴻池新田会所寄席」の取材に伺いました。鴻池新田会所は、あの有名な豪商鴻池の新田を管理する場所として江戸時代に建てられたもの。重要文化財にも指定されており、その本屋にある台所と土間が会場です。
 会場内は、お客さんで満席状態。素人寄席でこれだけ人気があるとは驚きです。岩本さんは前半のトリとして登場。「待ってました!ガンちゃん!」の声がかかる。演目は「井戸の茶碗」。話しぶりは余裕たっぷり、堂々たるものです。話し終わった後、さっそくインタビューを行いました。

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持ちネタは25ほど。武士が出てくる噺が好きです


━━━それにしても盛況ですね。

  • おかげさまで。この会場でやるのは、今回で2回目なんですよ。昨年、初めてやった時は市長さんも来られました。私たちの落語を気に入っていただき、毎年11月3日の文化の日は、ここでやることに決まりました。

━━━驚いたのは、素人寄席の場合、出囃子などは、CDやテープで流すところが大半ですが、こちらは生演奏ですね。

  • お囃子は2年前から始めました。踊りの師匠さんやら、三味線、太鼓の名手等、多種多才、落語より笛や太鼓をマスターする方が難しい(笑)。

━━━今日は、7人の方が出ておられましたが、メンバーは何人ですか?

  • 現在、44名です。うち、女性が17名です。

━━━仕事をリタイアされた団塊の世代が中心ですか?

  • そうですね。でも30代の現役から最高齢は82歳の女性まで幅広いですね。

チラシ 3.jpeg━━━今日の演目は、「井戸の茶碗」でした。無骨だが正直な2人の武士と、その間を取り持つ紙くずやの話でした。これは好きな噺なんですか?

  • 武士が出てくる話は好きですね。侍コトバが心地いいんでしょうね。

━━━持ちネタは?

  • 今やれる話は25ほどです。その中でも「天狗裁き」や「宿屋の仇」あたりが好きですね。

━━━なるほど。やはりどちらの話も侍が出てきますね(笑)。

噺の筋を覚えるよりも、演じ分けるのが至難の技


━━━では落語との出会いについてお聞きします。もともと落語が好きだったのですか?

  • 好きでした。サラリーマン時代は、東京に17年いましたが、よく、浅草や新宿の寄席に通ったものです。

━━━それが嵩じて、落語を演じようと思われたきっかけは?

  • たまたま新聞に、大阪にできた落語の定席「天満天神繁昌亭」でプロの落語家が素人を相手に落語を教えてくれる「落語家入門講座」が開かれるのを知って、すぐに応募しました。私は第1期生なんです。

━━━で、実際にやってみてどうでしたか?

  • いやあ、それは聴くのと、実際に演じるのとでは、大違いです。登場人物によって上下を付けて話すことだけでも、じつに難しいものです。2人だけでも大変ですが、それが何人も出てくると、どっちを向いて話していいのだか…(笑)。

━━━筋を覚えるのも大変じゃないですか?

  • 確かに大変ですけど、筋を覚えても、さっき言ったみたいに、演じ分けるのが、至難の技なんです。やり過ぎても嫌らしいし、自然に気持ちが入ればと思うが、なかなか思うようには・・・。自分が楽しむのが一番大事と思うようにしています。師匠から言われたのは、噺の情景を思い浮かべながら話しなさい、ということでしたね。そうすれば、自然と顔や身体の向きも分かってくると。

米左と.JPG米左師匠と━━━師匠はどなたですか?

  • 桂米朝師匠の弟子に当たる桂米輔師匠と桂米左師匠、そして笑福亭生喬師匠の3人です。いまでも師匠方とはお付き合いがあります。

━━━入門講座の内容は?

  • 毎年4月と10月に募集しています。受講期間は半年で、毎月2回習います。半年習って初級、中級、上級と昇進します。続けて習うこともできて、私は結局3年間続けて習い、上級を2年間やりました。会員には5年間習った方が4、5人います。

落語好き同士でワイワイやるのは楽しいもの


━━━いまの素人落語会を結成された経緯を教えて下さい。

  • 入門講座が始まってまもなく、1期生の20名ほどで昼食会をやりまして、その後、カラオケルームで稽古会を始めたのがきかっけです。そして翌年10月、1期生の5名が中心なって仲間に呼びかけて、「天満天神の会」を発足させたわけです。

━━━活動内容は?

  • 年2回の定期発表会。そして地域イベント、老人会、福祉施設、病院、お寺などへの出前高座、その他に、月2回の稽古会、会報の発行、お囃子、川柳研究会などです。

━━━随分と多彩ですね。

  • メンバーには、いろいろな職種な人たちがいて、それぞれ得意な分野があります。それを生かして、稽古会担当、出前高座担当、発表会、会計、広報・ホームページなど、役割を分担しています。

━━━19年4月入門ですから、もう6年目ですね。かなり上達したのでは?

  • 最初の頃に比べれば、上達しているでしょうね。3年目頃から遊び心が出てきて、噺をしていたら、米左師匠から、がつんとやられました。「うまいと思っているんとちゃうか?」って、色気を出したらダメですね(笑)。

━━━落語の魅力は?

  • 落語は座布団の上の無限の世界、扇子と手ぬぐいがあれば、どこでも気軽に移動して演じることができることです。そして実際にやってみて、お客さんに笑ってもらえる。これが何よりも嬉しい。

━━━男性の場合、会社を退職すると孤独になる人が多いけど、岩本さんの場合は関係ないようですね。。

  • それはありがたいですね。同じ趣味を持った者同士ですからね、この歳になって何のしがらみもない連中と友達になれ、こんなおもろい活動が出来るなんて思いもしませんでした。発表会や稽古の後、打ち上げと称して、みんなでワイワイと飲むのも楽しいものです。これからもずっと続けていきたいと思っています。

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同期が頑張っているのを聞くと、力が湧いてきます


━━━高校時代は、どんな学生だったのですか?

  • そうですね、高校時代は真面目で温和しい部類だったでしょうね。2年生の時、文化祭でフォークダンスの実行委員長をして、各クラスに指導に回ったり、ファイアーストームで指揮を取ったことは覚えています。生徒1500名が火柱の周りでフォークダンスを踊る姿は壮観でした。それより私の周りには面白い連中、渡邉君やら大井君、四谷君らがいて、前日見たテレビのギャグを争って教室で披露していました。クレイジーキャッツの真似が中心でしたが、そのことが後に私の落語好きの基礎になったのかもしれませんね。

━━━豊岡や但馬に対する思い入れは?

  • 両親が亡くなり、豊岡にも滅多に帰ることも無くなりましたが、豊岡、但馬への思い入れは強い方だと思います。同期18期の連中が頑張っているのを聞くと力が湧いてきます。岡本君の誘いで、大阪達徳会総会にも6年前から出ていますが、先輩諸氏との出会い、後輩の活躍を聞かされ刺激を受けています。特に竹内準治先生(高4期)がよく言われる「豊高は兵庫県で2番目の歴史を持つ高絞です。そのことに誇りを持て!」を心に刻み、豊岡、但馬のよきサポーターでありたいと思っています。

                    <インタビューアー/HP制作担当・竹内