ダラーガとは何か?
ある人曰く。それは古代インドの地名ではないか。確か、ガンダーラ地方というのがあったではないか。ある人曰く。どこかの国の通貨の名前ではないか。アフリカか中南米あたりと睨んだが‥。ある人曰く。なにかの呪文ではないか。アブラカダブラとか、やっているじゃないか。
残念ながら、みんな違うな〜あ、中谷くん。答えは、もしあなたが但馬の人なら、簡単にわかるだら〜が。
そう、但馬弁なのです。最後の部分だけ翻訳すると、「わかるだろう」「わかるだろ、あなたも」。推量を示す言葉であり、同意を求めるニュアンスも含まれています。
ふるさとの訛りなくせし友といてモカ珈琲かくまでにがし
私の好きな、寺山修司の短歌です。
ふるさとの訛りなおさぬ友といて鍋つつく箸踊り出すかな
同級生の池上くんと鍋をつついている時に、彼の頑固なまでにネイティブな訛りの響きが嬉しくて寺山の歌をもじりって作りました。
世界を旅するとき、日本人であることを意識し、都市で暮らしているとき、但馬人であることを意識します。日本は世界の辺境であり、但馬は日本(および近畿)の辺境です。しかし中心にいては見えないことが、辺境だからこそ見えることがあります。
長年、朝日新聞記者として活躍してきた尊敬する従兄弟から、故郷で酒を酌み交わすたびに言われる言葉があります。「お前も、そろそろ地元のために尽くしたらどうや」と。
都会で暮らしているからこそ改めて感じる但馬の魅力を、自分なりの角度で紹介してみたい。また、逆に但馬人であることを意識しながら、日本や様々なことを分析してみたい。そんな気持ちから、「ダラーガの国から」をつくってみました。このささやかなコーナーを通じて少しでも但馬に寄与することができれば、幸いです。
ダラーガ通信社
社主(兼記者、兼カメラマン、兼編集者、兼小間使い)
竹内 明久