散歩4 of ダラーガ通信

絵本オペラ

旧甲子園ホテルで「絵本オベラ」を鑑賞

和のテイストを織り込んた西洋建築

 「少年刑務所ツアー」でお世話になった北夙川氏からの案内により、「甲子園の歴史と文化を守り育てる会」の第三回年次総会に参加してた。私は神戸在住なので甲子園は関係ないのだが、開催場所が、旧甲子園ホテル(現在、武庫川女子大学甲子園会館)であり、出し物の「絵本オペラ」に興味を持って出席の返事をしたというわけだ。

 前置きはさておき、旧甲子園ホテル。写真では何度かみたことはあるが、足を踏み入れたことはない。フランク・ロイド・ライトの弟子にあたる遠藤新の設計よるもので、「東の帝国ホテル、西の甲子園ホテル」と並び称されるほどの名建築だ。外観からして、仏塔らしきものがあったりして、西洋建築なのに、仏教の匂いがする独特の雰囲気だ。内部も、市松模様の天井など、いたるところに和のテイストが感じられる(写真参照)。

日本初の絵本オペラに感動する

 さて「絵本オペラ」である。プロジェクターで映し出された絵本に合わせて、ソプラノ(中村朋子さん)、テノール(畑儀文さん・武庫川女子大学教授)、打楽器(安永早絵子さん)、ピアノ(城村奈都子さん)の編成で絵本オペラがスタートした。
 今回の絵本は、「ともだちや*」と「はなのすきなうし」の2つ。「ともだちや」は、本当の友だちとは何かをテーマにしたお話、そして「はなのすきなうし」は、闘いよりも平和を愛する気持ちの大切さをテーマにしたスペインのお話だ。
 子どもを対象に、3年前から絵本オペラの活動を始めたそうだが、良い絵本は、大人でも十二分に楽しめる。これは私の持論。壮麗な装飾が施された西ホールに、演奏と声が響きわたる。しかも絵本の内容と見事にシンクロしている。素晴らしい!の一言であり、十分堪能したことは言うまでもない。

小さなオルガンから、大きな音が響く

 続いて行われた「足踏みオルガンコンサート」も素敵だった。幼稚園にあったオルガンよりも小さくて、ミニオルガンの感じ。オルガンは戦前に主に教育とキリスト教の布教に使われたようだが、移動に便利なミニオルガンは、主に布教用。プロのオルガン奏者の方が演奏すると、小さな躯体からは想像できないほど大きな音が鳴り、童謡、賛美歌のアメージング・グレイス、バロック音楽などが演奏された。

 今回、こうした会を催すことができる甲子園のもつ文化的な厚みを実感。北夙川氏のすすめられるままに会員になってしまった私であった。


*「ともだちや」の補足
 「え〜、ともだちはいりませんか。さみしい人はいませんか。1時間100円、2時間200円」
 主人公のきつねの台詞だが、現実にもこんなビジネスがある。テレビで紹介していた例だが、結婚を控えていた女性が、新郎側との釣り合いを取るため、彼女の友達役を、お助けプロジェクト(こんな感じの社名)に依頼していたのである。
 本当の友達がほしいのは、子どもより、大人の方かも知れない。



旧甲子園ホテル・外観.jpg旧甲子園ホテルの外観
外観2.jpgやっぱりジャズはいい。キャラバンを演奏内部.jpg内部の落ち着いた雰囲気

西ホール.jpgダンスが行われていた西ホールオペラ1.jpgプロジェクターで絵本を大きく映し出す

オペラ2.jpg中村朋子さんのソプラノ
オペラ3.jpg畑儀文さんのテノール。ピンぼけですいませんオペラ5.jpg花の好きな牛のタイトル画面
オペラ4.jpg効果音を出すための様々な楽器?ミニオルガン.jpg復活した足踏みオルガン

ミニオルガン演奏.jpg大森先生の素晴らしい演奏を堪能するミニオルガン演奏2.jpg並ぶとオルガンの小ささがわかります

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神戸まつり2010(第40回 神戸まつり)

小さな違和感と、気分の良かったこと

 天気が良かったので、今年も習慣みたいなもので、神戸祭りの見学に出かける。不熱心な観客なので、ぐるりと回って、めぼしい出し物があると立ち止まって観るという程度だ。

 メインパレードは、全部で76組も出場しているが、観たのは7組くらい。その中で、あれっと思ったのが、神戸日米協会のマーチングバンドだ。他のマーチングバンドと見比べたわけではないが、とにかくカッコイイ。みんな体格もいいし、姿勢もいい。指揮者の人など、体の3分の2が脚ではないかと思うほど、すらっと長い。
 写真を撮ろうと思うが、前にいた警察官か機動隊の人が邪魔になる。眼光鋭く、周囲を見張っている感じだ。「具合わるいな、バンドが動き出してから写真を撮ろう」と思っていたら、しばらくしてバンドが動きだした。いまだとカメラのシャッターに指を動かすと、警察官も一緒に移動するではないか。よく見ると、他にも周囲に4、5人の警察官が張り付いている。
 他の団体では、警察官が張り付くということは一切ない。これは日米関係が悪化しないように、テロや抗議行動などを警戒しているのだろか。ちょっと不思議な気がしたものである。

 ぶらりと歩いていると、やはりあった。ジャズ・ライブ・ストリート。3カ所に別れて演奏している。4人編成あり、ビッグバンドありと多彩だ。木陰になっている石畳の路肩に腰を下ろす。演奏者たちを取り囲む観客を越えて、キャラバンやサマータイムなどのスタンダードナンバーが聞こえてくる。気持ちのいい風が吹いてきた。やっぱりいいな。ジャズは、神戸の空気にあっている。これだけでも、神戸まつりに足を運んで得した気持ちなったものだ。


マーチング1.jpg神戸日米協会のマーチングバンドマーチング2.jpg前の警察官が邪魔。でもこれは特別措置だった
ジャズ1.jpgやっぱりジャズはいい。キャラバンを演奏ジャズ2.jpg3カ所で演奏していました
サンバ1.jpgやぱりサンバ。この方はプロです
サンバ2.jpgオレンジカラーが鮮やか!ベリーダンス.jpgベリーダンスの団体も参加していました

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都おどり初体験

まさに春を告げる踊り。
日本人に生まれて良かった!?

別世界に足を踏み込む

 昨年、申し込んだときは、すでに満席で駄目だったので、今年は早めに申し込んだつもりだったが、すでに土日はほとんど満席状態。きっとお茶屋や料亭、小料理屋などがあらかじめ、得意先向けにチケットを押さえているのだろう。
 仕方がないから平日を申し込む。仕事もヒマだから1日くらいいいだろう。悲しい選択でもあるが‥。

 「都をどり」の場所は、京都祇園甲部歌舞練場。もちろん訪れるのは初めてだ。歌舞練場のある花見小路を歩くのも初めて。初めてづくしだ。有名な一力茶屋の角を曲がると、伝統的な京町屋形式で建てられたお茶屋、置屋がずらりと並び、そこは芸技・舞妓の世界。歩くだけでも旦那気分の一端が味わえる。

歌舞練場だけでも一見の価値あり

 ワクワクと期待を胸に歌舞練場に入ると、かなり広い。今年の舞台で着る着物が飾ってあったり、舞妓さんが描いた絵画や書なども展示している。なかなか上手だ。京都の伝統的な品々を販売するコーナーもある。パンフレットも売られていた。この手のものはあまり買わないが、中をパラパラとめくってみると、9つの場面解説、舞台の写真、登場する舞妓さんの写真などが満載。お茶屋の一覧まである。それに写真もかなり美しい。迷わず600円で購入。

 次は、トラディショナル・ティータイム。2階に上がると、すでに多くの客たちが席に着いている。前の正面には、舞妓さんが座って抹茶を立てている。もう一人は、サポート役だ。お客用の白い布が被せられた低いテーブルにあるお盆に、お茶娘が抹茶とお菓子を順番に置いていく。茶碗を手にとって、優雅に泡だった緑の液体を口に含み、お菓子を頂く。なかなか旨い。お菓子を載せていたお皿は、お持ち帰りOKらしい。気の利いたお土産だ。
 踊りが始まる前の時間を、回遊式の日本庭園を眺めてのんびりと過ごしながら、京都の春の風情を楽しむ。

お囃子だけでも迫力満点!

 いよいよ時間が近づく。踊りの会場は、想像以上に広かった。着物姿の女性客の姿もちらほら見られ、何となく華やいだ雰囲気が会場全体に漂う。茶券付き特等席だが、席は指定できない。お任せ方式だ。指定された場所は1階の後方端の方。ちょっと不満だが、仕方ない。2階桟敷席にも観客が座っているのが見える。

 開演時間となり、正面の大きな幕と、左右の1階桟敷席の幕があく。右手には、三味線と長唄、浄瑠璃を担当する少し年配の女性たちが、左手には、笛、小鼓、大鼓などを持つ舞妓たちが姿を現す。全部で20人以上もいるだろうか。彼女たちがいっせいに演奏をはじめ、長唄の声が朗々と響き渡り始める。これだけの人数が調子を合わせて奏でるとかなりの迫力だ。

 正面の幕があく。「まあ、きれい」と周囲から声が漏れるほど華やかな舞台が目に飛び込む。そして左右の花道から、舞妓たちが踊りながら現れた。白塗りの顔も、日常生活では違和感を感じることがあっても、舞台では美しさを際立たせるに役立つ。白塗りの化粧は、夜の闇や舞台照明の中でこそ輝きを増すものだと知る。

夢うつつの時が流れる

 第1場から9場まで舞台も出演する舞妓さんも次々と変わっていく。いわばオムニバス形式で、全体を通すストーリーはない。それぞれの場面の雰囲気を楽しめばいいということらしい。

 途中から夢を見ているような気分に浸ってきた。そして本当に眠ってしまった。昼食時の満腹とビールが効いてきたようだ。なんともったない。むむっ、これはまずい! これでは、NYで見たミュージカル「ミス・サイゴン」の二の舞ではないか。懸命に目を見開きながら舞台を見つめる。まぶたを開けたり閉じたりしながらも、つねに長唄の調べが流れ、夢うつつの状態であった。このままで死ぬのも悪くない、と思ったりした。

 やがて最後の9幕。フィナーレだ。全員の舞妓が次々に舞台に現れて踊る。全部で、50人ほどにもなるのだろうか。いやあ、これぞ贅沢の極みというべきか。予想を遙かに超えた素晴らしい舞台に腑抜け状態になったわが神経を何とか無理にでも現実世界へと引き戻した後で、歌舞練場を後にしたのであった。(2010年04月26日記)

祇園の街.jpg花街らしい風情が漂う家にチラシ.jpg都をどりのチラシ
歌舞練場.jpg歌舞練場の建物
お茶.jpg外国人向けに考案された立式お點前を芸技さんが提供
きもの.jpg都をどりで着るきものが展示されていました庭園.jpg2階から庭園を眺める
会場.jpgいよいよ開演。でも写真撮影は駄目。ここまで
パンフの中身.jpgパンフレットの中の写真で味わってくだささい